
京大 山仕事サークルで
人生を方向づける感动に出会う
2021.12.16 THU
京都大学在学时代に、女性目线で林业の面白さを発信する「林业女子会」を立ち上げた井上さん。林业界の课题に対して真挚に、それでいて「面白いことをする」という姿势で取り组む彼女の原点はどこにあるのか。京都时代のエピソードから高知に移住してからの活跃まで、余さず语っていただきました。
1987年生まれ。滋贺県出身。京都大学农学部、同大学院农学研究科で森林科学を専攻。在学中の2010年に立ち上げた「林业女子会」が、国内外に広まるムーブメントとなる。大学院修了后は林业?木材产业専门のコンサルティング会社に勤务。民间公司や自治体のブランディング支援に携わったのち、2018年に高知県安芸市に移住。嫁ぎ先の工务店を夫とともに経営しながら、森林を活用した民间からの地域活性に贡献。「林业女子会@高知」の代表も务める。
面白い人や体験との
出会いを求めて京大へ
生まれは京都ですが、父亲がサラリーマンの転勤族で、自然豊かな地域を転々とする幼少期を过ごしたのち滋贺に落ち着きました。森林に兴味を持つようになったのは、小学校での环境教育がきっかけです。担任の先生が环境问题に热心で、みんなでゴミ拾いをしたり、地球温暖化や热帯林破壊や砂漠化などの记事を読んで话し合う机会を与えてくれたんです。そこから森林が环境问题に大きな影响を与えているのではと考えるようになり、森林について学ぶため京都大学に入学しました。
京都大学を选んだ理由は、森林に関する幅広い学びがあったこと。もう一つは、面白い人たちに出会えるのではないかという期待があったからです。実际、私が在籍していた农学部には、菌类や昆虫、爬虫类など好きなものに热中する人が多く、面白い活动をするサークルがたくさんありました。私が活动していた山仕事サークルもそのひとつです。山仕事サークルでは、活动拠点である京都北部の云ケ畑という地域まで自転车で1时间かけて通うのですが、それも京大らしいですよね。私は「チャリで行くんや~!」と面白がり、云ケ畑までの道筋を楽しみながら走っていました。ちなみに、きのこサークルも掛け持ちしていて、宝ヶ池や滋贺の田上山など先辈から代々受け継いできたきのこ狩りスポットを季节ごとに巡っていました。
现代社会と真逆の価値観に感动し
林业に関わり続けることを决意
云ケ畑では地元の山林所有者の指导を受けながら、植林?下刈り?枝打ち?间伐?炭焼きなどの山仕事の手伝いを行っていました。地下足袋を履いて山を登るのも初めてでしたし、木を伐るのも初めて。伐採した木が倒れた时の地响きを、五感で受け止めたときには心が震えました。
また山林所有者のおじいちゃん、おばあちゃんたちから闻く、山の歴史や暮らしの话も魅力的でした。なかでも私が一番感动したのが、「伐り番」と「守り番」の话です。山林所有者の方々は、木を伐って财を蓄える「伐り番」と、木を植えて育てる「守り番」を世代ごとに交互に担当し、何世代もの长いスパンで森林を循环させ、先祖代々の山を引き継いでいるというのです。「ワシらの代は守り番で、子や孙が伐り番なんや」と语る山林所有者を前に、「一分一秒を争うスピード社会の中で、自分の生まれる前と死んだ后を考えながら生きている人がここにいる」と、强く感动したのを覚えています。こうした云ケ畑での体験は、现在の私につながる原体験となりました。
山仕事サークルでの体験は、その后の人生に大きな影响を与えた。
河原町のカフェで
林业女子会を结成
山仕事サークルでの体験を踏まえ、大学や院では植树の作业効率を上げる方法や野生动物による食害问题について研究。その一方で、厂狈厂で「林业女子」という言叶を使い始めたのもこの顷です。当时は巷で山ガールが流行しており、ファッションを入り口に登山やハイキングを楽しむなど、アウトドアをライフスタイルに取り入れる流れが生まれていました。ですが、人の“生业”に近い山や森との関わり方ができるのが「林业」の魅力。この魅力を押し出したいという想いから、「私たちは林业女子!」なんてつぶやいているうちに、林业について女性目线で発信すれば、认知が広がるのではないかとも考えるように。サークルや大学で活动するなかで、林业を体験したことがある人や、林业の课题や可能性を知る人が少ないというのをとても感じていたので、「あえて女性の目线から林业について発信することができたら面白いのでは」と考えたのです。
とはいえ一人では何もできません。そこで「みんなで何かしませんか?」と厂狈厂などで声をかけたところ、京大や他大学の山仕事サークルのメンバー、森林组合や木造建筑に関わる方など10人ほどの女子が河原町のカフェに集まってくれました。それが林业女子会の始まりです。
林业女子会では、林业の魅力発信や林业女子たちのつながりづくりを目的に活动。発信面では、フリーペーパーの発行や、町家で女子限定の木工体験などのイベントを开催していたのですが、自然や木工に兴味がある女子たちが「なんだか楽しそう」と集まり、そのまま林业女子会に入る方も出てくるようになりました。つながりづくりの面では、林业はやはり男性社会なので、少数派の女子たちの贵重な交流の场ともなりました。またメンバーには森林组合职员から、バイオマスエネルギーの普及に取り组む経営者など、幅広い业种の方がいたことで、互いの视野を広げる効果もあったと思います。
最终的には京都だけで30名ほどのメンバー数に増え、他県でも林业女子会をやりたいという声をいただくようになり、徐々に団体数が増えていきました。2021年新たに@爱媛が设立し、结成から11年になる现在では国内海外26の林业女子会が活动中です。また今も他県から设立相谈を受けています。
林业女子会@京都のメンバーでフリーペーパー「蹿驳」を発行。
井上 有加さんが学んだ京都大学では、創立125周年を機に国際競争力強化、研究力強化、社会連携推進の3事業を展開するための寄付を募っています。ぜひともご支援を賜りますようお願い申し上げます。







