価値を选択に変换する意思决定の神経回路―神経回路操作によりサルの选択行动に介入―

ターゲット
公开日

 松本正幸 ヒト行動進化研究センター教授と禰占雅史 筑波大学研究員(現:東京都医学総合研究所研究員)らのグループは、サルの脳で意思決定を行う神経回路を探索し、その回路の活動を操作することでサルの意思決定に介入することに成功しました。研究では、サルに選択肢を提示し、選ぶかどうかを決定させました。このとき、腹側線条体と呼ばれる脳領域の神経活動が、まず選択肢の価値を反映し、その後徐々に「実際に選択するかどうか」という意思決定の信号へと変化していくことが明らかになりました。この脳領域が価値情報を意思決定に変換する「橋渡し」の役割を担っていることを示しています。次に、腹側線条体に密に投射するドーパミン神経を光遺伝学と呼ばれる手法で活性化したり、腹側線条体自体を電気刺激すると、サルの選択が変化することが確認されました。これは、ドーパミン―腹側線条体神経回路が意思決定の実行に因果的に関与することを示す証拠です。この成果は、うつ病や依存症など意思決定の異常が見られる病気の理解にも役立つと期待されています。

 本研究成果は、2026年3月28日に、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。

画像
2603_main_matsumoto.jpg

研究者のコメント

「本研究では、脳がどのように『価値』を『行动』に変换しているのかという、意思决定の根本的な问いに挑みました。サルが意思决定课题をできるようになるまで1年以上の训练が必要で、さらに脳内で神経活动を一つ一つ记録し、行动との関係を明らかにする过程は容易ではありませんが、その中で腹侧线条体が価値から行动への桥渡しを担う可能性が见えてきたときの喜びは大きいものでした。本成果が、人间の意思决定の理解や精神疾患の研究につながることを期待しています。」

研究者情报
研究者名
松本 正幸
书誌情报

【顿翱滨】


【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】


【书誌情报】
Masafumi Nejime, Mengxi Yun, Yawei Wang, Takashi Kawai, Jun Kunimatsu, Hiroshi Yamada, Ken-ichi Inoue, Masahiko Takada, Masayuki Matsumoto (2026). Role of the primate ventral striatum as a neural hub bridging option valuation and action selection. Nature Communications, 17, 2501.