パブロフの犬で有名な条件づけは、饵などの「无条件刺激」と、ベルの音のような「条件刺激」が结びつけられることにより生じる连合学习です。この学习が成立して记忆が形成されるためには、条件刺激が无条件刺激よりも少しだけ先行したタイミングで起きる必要があることが、100年以上も前から行动学的に知られています。しかし実际の脳内で、条件刺激を伝える具体的な神経细胞やその活动の様子は不明でした。
このたび、寺前順之介 情报学研究科准教授、松尾直毅 九州大学教授、小林曉吾 同助教、曾我部蓮 同大学院生らの研究グループは、海馬内で文脈情報を表現すると考えられる記憶痕跡(エングラム)細胞に特有の神経活動が、条件刺激として働くことを明らかにしました。
记忆痕跡细胞は、目に见えない记忆の细胞レベルの実体として世界中で注目されていますが、记忆の形成前には同定できないため、その学习中での神経活动状态や役割については未だ理解が进んでいません。本研究グループは、文脉依存的な恐怖条件づけ学习中のマウス海马において记忆痕跡になる予定の细胞の活动动态を、独自の遗伝学的手法とカルシウムイメージング法を用いて计测しました。その解析の结果、无条件刺激を提示する1?2秒前に、记忆痕跡细胞が一时的に强く活性化することが明らかになりました。さらに、このタイミングの神経活动を光遗伝学手法により抑制したところ、记忆の形成が阻害されました。
今回の発见は、古くから知られている行动学的な现象の脳内基盘を最新の科学により実証した好例であり、ヒトを含む动物の行动选択に重要な役割を担う条件づけ学习と记忆の脳内机构のさらなる理解に贡献します。また、条件づけの制御の破绽により生じると考えられる笔罢厂顿や依存症などの精神疾患の原因究明や治疗法の开発に役立つことが期待されます。
本研究成果は、2026年1月9日に、国际学术誌「笔狈础厂(米国科学アカデミー纪要)」に掲载されました。
研究者のコメント
「记忆痕跡细胞の学习前や学习中での神経活动动态は、私が记忆痕跡に関する论文を最初に公表した15年ほど前から大きな疑问でしたが、今回の研究により、ようやくその一端を明らかにすることができました。一つ疑问が解消されると、それに関连する新たな疑问が涌いてきますので、顺に明らかにしていきたいと思います。」(松尾直毅)
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【书誌情报】
Kyogo S. Kobayashi, Ren Sogabe, Tsuyoshi Tatsukawa, Jun-nosuke Teramae, Naoki Matsuo (2026). Neural substrate of conditioned stimulus for associative learning in the hippocampus. Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS), 123, 2, e2519161123.