“食べやすい”虫こぶの记忆が、“食べにくい”虫こぶを救う―捕食者の学习による行动変化が创出する生态的ニッチ―

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 山尾僚 生态学研究センター教授、菊地孝介 弘前大学学部生(研究当時)、笹部美知子 同准教授、奥田圭 広島修道大学教授、池田紘士 東京大学教授らの共同研究チームは、虫こぶ(植物にできるこぶ状の構造)の捕食者に対する防御機能が、捕食者であるヒメネズミ(以下、「ネズミ」)の学習行動に依存して発揮されることを明らかにしました。

 本研究チームは、ネズミが「食べやすい虫こぶ」を経験的に学习すると、「食べにくい复雑な构造の虫こぶ」を避けるようになることを発见しました。つまり、ネズミが食べやすい虫こぶに関する记忆を形成することで、复雑な构造をもつ虫こぶを避けるようになり、虫こぶの构造が捕食回避の仕组みとして机能するようになることを明らかにしました。このことは、ネズミの记忆に基づく行动决定が、复雑な虫こぶをつくるアブラムシに、ある种の生息空间(生态的ニッチ)を提供していることを示しています。

 さらに研究チームは、3年间にわたる野外调査により、啮歯类による虫こぶの捕食倾向が、虫こぶ2种の集団内での频度(割合)に応じて切り替わることを明らかにしました。また、どちらの虫こぶを捕食するのかの転换ポイントに偏りが観られ、构造が复雑で食べにくい虫こぶは集団中で约65%以上の频度を占めるまで捕食されにくいことが分かりました。この転换ポイントの偏りには、「食べやすい虫こぶがあると、食べにくい虫こぶを避ける」というネズミの学习行动が影响していると考えられました。

 本研究の成果から、捕食者の记忆や学习などの认知能力が、生物多様性の创出と维持において重要な役割を果たしていることが示唆されました。

 本研究成果は、2025年12月10日に、国際学術誌「Proceedings of the Royal Society B」にオンライン掲載されました。

文章を入れてください
研究结果の概要図:“食べやすい”虫こぶを学习したネズミは、“食べにくい”虫こぶを避ける。

研究者のコメント

「本研究は、虫こぶに啮られた痕跡を见つけたことが出発点でした。野外観察を続けるなかで、ネズミやヤマネが虫こぶを补食する瞬间を捉えることができ、そのときの惊きと感动は今でも鲜明に覚えています。さらに、野外観察に加えて室内実験で捕食者の行动や虫こぶの补食状况を定量的に评価できたことで、捕食者の行动が虫こぶの生态に与える影响を明らかにすることができたと考えています。今后の研究においても、野外観察と室内実験を组み合わせることで、复雑な生物间相互作用を明らかにし、さらには生物の进化や共存メカニズムの解明につながることを期待しています。」(菊地孝介)

「ヒメネズミやヤマネが虫こぶを积极的に利用していること自体も大きな惊きでした。また、野外调査から、啮歯类が2种类の虫こぶをその出现频度に応じて食べ分けていることが明らかになったときには、生物间相互作用の奥深さを改めて実感しました。ほかの植物の上では一体どのような相互作用が繰り広げられているのか、兴味は尽きません。」(山尾僚)

研究者情报
研究者名
山尾 僚
书誌情报

【顿翱滨】


【书誌情报】
Kosuke Kikuchi, Haruna Koishi, Kei Okuda, Hiroshi Ikeda, Michiko Sasabe, Akira Yamawo (2025). Associational effects of closely related insect galls on rodent predators mediated by predator learning. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 292, 2060, 20252546.