运动学习の新メカニズム解明に成功

运动学习の新メカニズム解明に成功

2013年10月23日


左から平野教授、田中大学院生

 平野丈夫 理学研究科教授、田中進介 同博士課程学生らの研究グループは、运动学习の基盤メカニズムとして、小脳の抑制性シナプスで起こる情报伝达効率の変化(シナプス可塑性)が重要であることを初めて明らかにしました。

 この研究成果は、米国学術専門誌「Journal of Neuroscience誌」のオンライン版に掲載されました。

概要

 运动学习の基盘メカニズムとして、练习または経験により引き起こされる小脳内神経细胞间の情报伝达の変化が重要と考えられています。神経细胞间での情报伝达はシナプスを介して行われますが、シナプスには神経细胞の活动を高める兴奋性と活動を抑える抑制性タイプがあります。今回の研究により、小脳の抑制性シナプスで起こる情报伝达効率の変化(シナプス可塑性)が运动学习に寄与することを初めて解明しました。

背景

 神経细胞间での情报伝达はシナプスを介して行われます(図1)。経験、练习等により引き起こされる神経活动は、シナプスにおける情报伝达効率を持続的に変化させます。この现象はシナプス可塑性と呼ばれ、学习と记忆の细胞レベルでの基盘现象と考えられてきました。


図1:神経细胞とシナプス

 小脳は運動制御と运动学习に関わり、そこでのシナプス可塑性が运动学习に重要と考えられてきました。小脳の主要神経細胞としてプルキンエ细胞が知られています(図2)。プルキンエ细胞は小脳皮質から出力する唯一のタイプの神経細胞であり、颗粒细胞下オリーブ核细胞から兴奋性のシナプス入力を受け、また星状细胞笼状细胞から抑制性シナプス入力を受けています。小脳皮質での主要な情報伝達経路は、颗粒细胞→プルキンエ细胞であり、プルキンエ细胞の出力が運動を制御します。そして、その運動の結果が良くなかったときには、下オリーブ核からプルキンエ细胞に誤差信号が送られて、その影響で運動時に活動した颗粒细胞?プルキンエ细胞間の兴奋性シナプス伝達が持続的に抑えられ、良くない結果にかかわったシナプス伝達が抑えられます。この現象が长期抑圧(尝罢顿)と呼ばれるシナプス可塑性で、このLTDにより运动学习が成立すると考えられてきました。しかしながら最近、LTDが起こらない状況でも运动学习ができる例が報告され、他のメカニズムも运动学习に寄与すると推定されました。


図2:小脳神経回路と尝罢顿、搁笔

 一方で、下オリーブ核神経細胞の活動は、星状细胞とプルキンエ细胞間の抑制性シナプス伝達を持続的に増強することも知られており、この現象は脱分极依存性増强(搁笔)と呼ばれていましたが、その役割は不明でした。研究グループは、RPもLTDと共に运动学习に寄与するのではないかと考えました。そして、RPが特異的に阻害される遺伝子改変マウスを作製して、その运动学习能力を調べることにしました。なお、星状细胞とプルキンエ细胞間のシナプスでは、GABAが伝达物质としてはたらきます。そして、搁笔の発现には骋础叠础の受容体GABARAP分子の结合が必要であり、その结合は骋础叠础受容体の一部を切り出したγ2ペプチドにより抑制されることが、研究グループの以前の研究でわかっていました(Kawaguchi & Hirano, 2007, J Neurosci)(図3)。


図3:γ2ペプチドと遗伝子改変マウスの小脳

 

研究手法?成果

 研究グループは、蛍光分子で標識したγ2ペプチドをプルキンエ细胞特異的に発現する遺伝子改変マウスを作製しました(図3)。このマウスはRPを発現しませんでしたが、他のシナプス入力および小脳神経細胞の形態は通常のマウスと同様であり、RPが選択的に障害されていました。

 次に、この遺伝子改変マウスの运动学习能力を調べることにしました。运动学习能力は、前庭动眼反射(痴翱搁)の适応能力で评価しました。痴翱搁は头部回転を内耳の叁半规管が検出して、頭部回転と反対方向に眼球を回転させる反射であり、動物が運動する際の頭部回転による視野のブレを防ぐ働きをします。ところで、VORの大きさは、状況に応じて柔軟に変化する適応をすることが知られており、この適応現象は运动学习のモデルとみなせます。通常のマウスでは、頭部回転と同時に視野回転を与えると、マウスは視野のブレが小さくなるように眼球運動を変化させます(図4)。具体的には、頭部回転と同時にマウスの周囲に設置した縦縞スクリーンを逆方向に回転させると、前庭動眼反射の大きさが増大する適応が起こります。また、スクリーンを同方向に回転させると、前庭動眼反射の大きさが小さくなります。RPが障害された遺伝子改変マウスでこの適応現象を調べたところ、適応の大きさが減少していました。つまり、RPが起こらない遺伝子改変マウスでは、运动学习も障害されていたことになります。


図4:前庭动眼反射(痴翱搁)の適応訓練

 以上の結果は、小脳の抑制性シナプスでの可塑性が运动学习に寄与することを初めて示したもので、小脳による运动学习機構をシナプスと神経回路のレベルで理解する上で鍵となる新情報です。以前は、小脳の兴奋性シナプスにおける可塑性が运动学习の基盤メカニズムと考えられていましたが、兴奋性シナプス可塑性が起こらない状況でも运动学习が起こる例が報告され、従来の兴奋性シナプス可塑性に基づく运动学习メカニズムの仮説に疑問が生じ、さまざまな議論がなされていました。今回の結果は、抑制性シナプスの可塑性が兴奋性シナプスの可塑性とともに运动学习に寄与することを示したもので、上述の議論に一つの回答を与えるものとなりました。

波及効果

 今回の研究により、小脳による运动学习機構をシナプスと神経回路のレベルで理解する上で鍵となる情報が得られました。この成果は、抑制性シナプス可塑性が兴奋性シナプス制御異常を補償するメカニズムとして働き得る可能性を示しています。小脳以外の脳領域でも、抑制性シナプス可塑性が兴奋性シナプスの可塑性と共調して働き、一方の障害を他方が補償する可能性が考えられます。また今回の結果は、将来的に小脳のシナプスの制御異常を伴う病変への対応の向上にも寄与する研究へと展開できるものと考えています。

今后の予定

 运动学习の小脳神経路回路による制御メカニズムの詳細を明らかにし、脊髄小脳変性症等の神経疾患への対応および、より効率的に运动学习する方法の開発に寄与できるような知見を得ることを目指します。

书誌情报

[DOI]

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Shinsuke Tanaka, Shin-ya Kawaguchi, Go Shioi, and Tomoo Hirano
"Long-term potentiation of inhibitory synaptic transmission onto cerebellar Purkinje neurons contributes to adaptation of vestibulo-ocular reflex"
The Journal of Neuroscience, 33(43): 17209-17220; 23 October 2013

 

  • 京都新聞(10月24日 22面)および日刊工業新聞(10月24日 19面)に掲載されました。